1日に何分ぐらい学習すればいいのでしょう?
kj: そうですね。あの、いちおう1日に20分は「NBC
Nightly News」っていうのでリスニングをやっていてスクリプトを見てもいるんですけど、その「1日20分」っていうのは時間としてじゅうぶんなのか。足りるのか。それとももっと、倍ぐらいやらないと伸びないものなのか…
KEC Emi: なるほど。ご自分では「20分じゃ足りないかな?」と思っていらっしゃるんでしょうか?
kj: そうです。「20分じゃ足りないんだろうか」っていう。笑
KEC Emi: 何分ぐらいならできそうですか?
kj: って言っても、まぁたぶん… 1時間は無理だと思うんで、30から40ぐらいがせいぜいかなっていう感じですけど。
KEC Emi: じゃあ40分にしましょうか?笑
kj: 40分。40分ですか。笑
KEC Emi: 質問に質問で返すって意地悪でしたけど、私の答えは「kjさん次第です」。長さよりも中身、それと、続けられるかどうかが大事だと思います。
kj: んー。
KEC Emi: たとえば仮に「毎日2時間」と言っても、続けられなければ2時間より20分の方がよっぽど意味がありますよね。いま、ご自身の中で「20分はちょっと少なすぎるな」と感じていらっしゃって、現実的にも「40分ぐらいまでなら取れそうかな」「続けられそうかな」って思ってらっしゃるなら、今のkjさんにはたぶん40分がピッタリの時間なんだと思います。
kj: んーなるほどー。いやぁ、そうか。笑
KEC Emi: たとえば今のニュース20分をもう1つ、もう1カタマリ聞くっていうことはできますか?
kj: そうですね、もう1カタマリ聞くことはできます。
KEC Emi: じゃあ2カタマリやってみて、ご自分の脳の疲れ具合を観察してみてください。効果が上がるのか、疲れてしまってかえって集中力が落ちるのか、その辺のところを自分で探ってみてください。
kj: わかりました。
KEC Emi: 40分できそうだったらしばらく続けて、さらに行けるっていうんだったらまた増やしてもいいですし。 20分×2で、同じものを繰り返すと飽きちゃうけど、別のものを20分だったら行けるっていうんであれば、そういう組み合わせでもいいです。音声という意味で、20分聞いて、20分しゃべるとかでもいいと思いますよ。
kj: はーなるほど。じゃあちょっと、まずは40分。笑 今も聞いた後スクリプトに戻ってやったりはしてるんで、もしかしたら30分くらいはやってるかもしれない。
ご自分をしっかり褒めてあげてください。
KEC Emi: kjさんはそうやって、毎日きちんと時間を区切って学習されるタイプなんですか?
kj: いやこれが…そんなことなくて。全然。笑 でもシャドウイングとかは毎日やんないと続かないなっていうのがやっぱり経験としてあるんで、やりだしたからには集中して毎日やるように頑張ってはいるんです。起きて最初にやる作業とかでリスニングとかシャドウイングを入れると、うまくエンジンがかかると思って。
KEC Emi: それは素晴らしいことですね。なかなかできることじゃないですよ。
kj: どうでしょうね。笑
KEC Emi: もちろん、「できるようになりたい」っていうお気持ちだったり、「やらなきゃいけない」っていう義務感があるからだろうとは思いますけど、それでも誰に強制されるわけでもないのにご自分で時間を決めてずっと続けていくっていうのはなかなかできることじゃないです。学習者として素晴らしいことです。そのあたりも、しっかりご自分を褒めてあげてください。「さすが上級学習者だな」と。
kj: いやいやいや。笑
KEC Emi: 「あとはちょっとリスニングの苦手意識が取れればもう大丈夫」と。なるべく気楽に、前向きに。一方で自主トレだったり情報収集だったりっていうことをしつつ。それで少し変化が出てくるんじゃないかと思うのでやってみてください。
kj: わかりました。はい。勉強になりました。ありがとうございます。
KEC Emi: kjさんなら、ちょっとコツをつかめば新しいことをご自分で開拓していかれると思います。どんな変化があったか、もしよかったら後日また知らせてください。
kj: はい。よろしくお願いします。
KEC Emi: 本日はありがとうございました。
kj: ありがとうございました。
セッション後のご感想
苦手意識をもっているリスニングを中心に、英語学習法について相談に乗っていただきました。とても楽しくリラックスしたセッションを体験させていただきましたが、この「楽しさ」が実は英語を学ぶ上でとても大切なポイントの一つだと教えていただいたように感じています。
脳科学の知見を参照しつつ教えていただいたのは、特定の分野(たとえばリスニング)や特定の声質・話し方(たとえば男性の低い、モゴモゴしたトーン)を「苦手」だと思いこんでしまうと、その方面での脳のパフォーマンスが下がってしまうということでした。だから、「なぜこんなにリスニングができないのか」ではなくむしろ「自分が比較的得意だと思っている分野(たとえば読み書き)にどうやってリスニング力を近づけるか」と考え方を変えれば、苦手がチャレンジに変わり、楽しくなり、脳の働きもグッと良くなり、そして学習の成果も向上するかもしれない、とアドバイスをいただきました。
同じように、聴きとりづらいと感じているタイプの声質・話し方についても、「苦手」という認識が先に立つと脳の働きが積極的ではなくなってしまいうるので、考え方を変えて、比較的聴きとりやすいと感じているタイプの人(たとえばノンネイティブの友人)と話すときのような心持ちで耳を傾ければ、案外すんなり聴き取れたりすることもあるということを、さまざまな日常の具体例を交えながらアドバイスをいただきました。こんなふうに、楽しく肩の力を抜いた姿勢で臨むのが、実はいちばんじょうずな英語との向き合い方なのかもしれないと、相談セッションを終えた今感じています。そして、セッション自体が終始リラックスした明るい雰囲気で行われ、まさにそんな姿勢を身をもって体験させていただいたように思います。ありがとうございました。
(おしまい)
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