Thursday, May 14, 2015

留学して3年…こんなはずじゃなかった。第9回


仕組みを知って、練習を



KEC Emi:   最後、3つ目は“リエゾン”のことです。“リエゾン”はもともとフランス語で、日本人はそちらの方が馴染みがあるんですけど、kjさんがおっしゃっているのは音声的な交わりというよりは単語と単語のくっつき方のことだと思います。実はこれ、英語教育では「Connected Speech」と言います。「Connected Speech」っていうキーワードで検索されると、いろいろ情報が見つかりますから、探してみてください。「他の学習者も同じように困ってたんだ」ってことがわかると思います。

kj:            Connected Speech」ですか。

KEC Emi:   はい。これがですね、ネイティブらしさの一つというふうにも言われています。ネイティブらしさというのもいろいろな切り口でたくさんあるんですけれど、この「Connected Speech」 もネイティブとノンネイティブの分かれ目だと言う人がいます。kjさんが「ノンネイティブだと聞き取りやすい」というのは、ひょっとしたらノンネイティブの英語に「Connected Speech」が少ないせいかもしれません。

kj:            はー。

KEC Emi:   ここが、先ほどの「文字に強く、音声が苦手」っていうところにもつながってきます。お話を伺っていて、英語が聞こえてくると、kjさんの頭の中では、まず単語が文字になって出てきて、単語と単語の間にはスペースがあるような感覚なんじゃないかなーと思ったんですけど、どうですか?


kj:            あー。それあると思いますねー。特に苦手な人の場合に関しては、頭の中で完全に文字起こししてます。笑

KEC Emi:   笑 そうですか。やはり日常の中に文字があまりにも自然に溶け込んでいるので、音声を聞いたときにもどうしても文字化してしまうんですかね。スペースだけじゃなく、カンマとかピリオドとか、Punctuation までちゃんと付いてるんじゃないかなって感じました。笑

kj:            笑 うーん。

KEC Emi:   そういう聞き方をしているkjさんにとって、「Connected Speech」 が曲者なところは、カンマもなければスペースもなく、全部が一続きのように、文字で言うなら1行にびっちり文字が並んでいるような感覚で聞こえてくるっていうところだと思うんですね。

kj:            うーん。なるほど。

KEC Emi:   そのあたりの聞き方のコツについて、いくつか後ほどリンクをお送りしますので、まずはそれをご覧いただくといいと思います。たぶんkjさんは論理的なルールを先に知ると理解しやすいタイプの方ではないかなと思うので。

kj:            あー、そうです。

KEC Emi:   サイトをご覧になって、仕組みをある程度、把握されるのが手っ取り早いんじゃないかなと思います。YouTubeに練習用の動画もありますから、ご自分で探してみてください。動画を見て、リズムや流れを体感していく。それもただ受身で黙って聞くんじゃなくて、口に出してみる。できればそれを録音して、自分で聞いてみる。で、動画の音声に近づくまで練習を続ける…みたいなことをやっていかれると、実践的なことがお一人で、外へ出なくても人に会わなくても、できるんじゃないかなと思います。

kj:            そうですね。

KEC Emi:   たとえばご自分の英語を聞いてみると、「滑らかじゃないな」って感じるところが出てくると思います。で、おそらくそこには「Connected Speech」が関わっています。

kj:            うーん。すごいですね。笑

KEC Emi:   笑 わかりませんけど。試してみてください。「あ、ここのところをくっつけて話さないとぎこちなくなっちゃうんだな」っていう発見につながると思います。それを見つけて練習すれば、滑らかに言えるようになってきますし、滑らかに言えるようになると、今度は他の人から滑らかに言われたときに、対応できるようになってくると思います。

kj:            うーん。

KEC Emi:   自主トレですね。まず、仕組みを知る。それから、滑らかさとぎこちなさを見つける。自分の「Connected Speech」を聞いてみる。ここであんまり自己嫌悪になっていただきたくないので、笑 寛大に、できるだけ褒めて聞く。でも一方で甘やかしてはいけないので、ぎこちないところが滑らかにくっつくようにしていく。ここでは得意な文字と分析を使ってください。それで、練習。次に「苦手」だと思っていたような人と会ったときに、どう聞こえるか。そんな感じで、少し実験的な期間を設けてご自身を観察してみられると、変化が起きやすいかなと思いました。

kj:            ありがとうございます。いやぁすごい勉強になりました。

KEC Emi:   笑 どうですか?できそうですか?

kj:            んー…、やんなきゃいけないと思いつつも、正直言うとその「録って聞いてみる」っていうのは…やったことがないから…。どういう機材を使えばいいか…。たぶんパソコンでできるんですよね。

KEC Emi:   そうですね。もし携帯電話にアプリがあれば、それでもできます。

kj:            なるほど。

KEC Emi:   では、まずは「Connected Speech」のサイトを探して、その仕組みとか、自分と同じような経験を、他の学習者もしてるんだとか、そういう情報を見つけるところからではどうですか?

kj:            そうですね。それじゃあリンクとか貼っていただいてもいいですか?

KEC Emi:   はい。後でまとめてお送りしますね。

kj:            ありがとうございます。ぜひ。

KEC Emi:   何か他にご質問はありますか?


(次回は最終回です)

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