「あ、英語だったんだ」なんてこともありました。
KEC Emi: わかりました。そのときの会話の相手は、インド、パキスタン、スリランカの方たちですか?
N.T.: そうですね。
KEC Emi: そこでは日本人同士も英語で話してるんですか?
N.T.: 留学生が入っているときだけですね。日本人同士は日本語で会話してます。
KEC Emi: なるほど、わかりました。その留学生の方たちの英語には、4月以降、どんどん慣れてくると思いますよ。
N.T.: あ、そうですね。最初は全然…何語かもわからないぐらい聞き取れなくって。
KEC Emi: 「あ、英語だったんだ」みたいな?笑
N.T.: そう、しばらくして、「あ、英語だったんだ」ってわかったという感じでした。
KEC Emi: そこが母語と第二言語の違いですね。ネイティブの場合、私たちの日本語もそうですけど、多少訛りが強くても、聞けちゃいますよね?
N.T.: あぁ、確かに。はい。
KEC Emi: 母語は使ってきた経験が長いので、許容範囲が広いんです。それに比べて、英語などの外国語は、私たちが聞き慣れるまで聞こえてこないんですよ。
N.T.: そっか。
KEC Emi: 日本の英語教育の中で、インド英語やアジアの英語は教材としてほとんど使われていません。音声の教材は圧倒的にアメリカ英語が多いので、今の日本人がいちばん慣れているのはアメリカ英語です。イギリス英語でさえもあまり聞き慣れていないんですよ。
N.T.: ふーん。
KEC Emi: 聞いた経験が少ないので、今はまだそのタイプの英語に戸惑っているという段階だろうと思います。英語力のせいではなくて、聞いた経験が時間的に足りないだけなので、あまり心配しなくていいと思います。
N.T.: はい。
KEC Emi: では別の側面についてお聞きします。研究室に入って学術的なことを全部英語でやるとなると、読み書きもあると思うんですけど、そのあたりはどうですか?
「和訳して、読み込む」というのをやってます。
N.T.: そうですね。読むのはあんまり苦ではないです。さすがに1回ではわからないんですけど、何度も何度も繰り返し読んでると、大体意味はつかめます。
KEC Emi: なるほど。
N.T.: そのまま読むんじゃなくて、和訳を一文だけでも書いてみたりすると、その先なんとなーくの流れがつかめてくるっていう感じです。
KEC Emi: ほう?えーと、読んでらっしゃるのは、たとえばジャーナルに載ってるような論文と考えて良いですか?で、それを読んでいるときに、和訳を?
N.T.: はい。どうしても読めないときに一回自分で簡単な和訳を書いてみると、だんだん文章をゆっくり読み込めるようになるんです。
KEC Emi: へぇー!
N.T.: なんだかわかんないんですけど。笑
KEC Emi: 笑 それはご自分で編み出したんですか?
N.T.: いやなんか、ただ読んでるだけだと、どうしてもサラーッと読んじゃってわかんないなって思って。それでちょっと書いてみたら、なんかわかってきたんです。
KEC Emi: なるほどー。たとえば大学受験のときにもその方法を使っていらっしゃったんでしょうか?
N.T.: いや、特には。受験勉強には和訳問題があったので、それはやってたんですけど、それは文法に沿って文構造を分解して…みたいな感じだったので、それとはちょっと違う感じかなぁ。
KEC Emi: へぇー。じゃあその和訳の方法は、今の論文のような、まとまった英語の文章を読む段階になってから?
N.T.: そうですね。
KEC Emi: 誰かに教わったのではなくて?
N.T.: のではなくて。その論文をずーっと読んでて、何回も繰り返し読んでたんですけど、結局細かい部分でわかんないってことがわかって。その部分だけちょっと訳したら、「あぁっ!」ってなってきました。
KEC Emi: なるほどーー。すごい。素晴らしいと思います。
N.T.: ありがとうございます。
(まだ、つづきます)
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