「文字」と「音声」を近づけていく。
KEC Emi: そのうえで、音声の方を伸ばして、文字の能力の方へ近づけることを考えてみるといいかもしれません。たとえば先ほど、「シャドウイングで何か引っかかりがあったとき、どうしますか?」って伺ったときに、「スクリプトを見る」っていうお話がありました。ニュースのお話の中でも、「最近スクリプトが出てきたので、それで確認ができる」ということがありましたよね。
kj: そうですね。
KEC Emi: これはもちろん良いことです。音で聞こえなかったものを文字で補って、学習の確認をされているんですね。ただ、良いことなんですけれど、これだと得意な文字はますます得意になって、音声がさらに苦手になってしまいかねないので、少し注意してください。
kj: あー。
KEC Emi: 近づけるという意味では、たとえば、スクリプトに目を通して終わるのではなく、スクリプトを音声化するというのがあります。自分で読み上げてみて、その後もう一度スクリプトなしの音声に戻って聞くとか。あるいはスクリプトを読んだものを録音して、それを聞いてみるとか。
kj: 自分でスクリプトを読み上げて、録音して聞くってことですか?
KEC Emi: はい。
kj: あー。
KEC Emi: そういうことをしていくと、文字と音声っていう、いま離れている2つが少―しずつ近寄ってくると思うんですね。文字情報を目で見たときの状態で固めてしまわないで、それを耳からも入ってくるものとして少しずつ移行していくわけです。あまり文字に偏っていると、音声が入ってきたとき、それを一回文字に落とさないと理解できない、というふうになりかねません。そうではなくて、他の人が発した英語を、耳から入ったまま、音声情報のままで理解できるようにっていうのが狙いです。
kj: んー。なるほどー。ギャップを埋めていくってことですね
KEC Emi: はい。そうです。ご自分の英語を聞かれたことってありますか?シャドウイングはブツブツ言う感じですけれど、はっきり読み上げたり、はっきりしゃべったものを録音して聞かれた経験ってありますか?
kj: えー、いや。ほとんどないですね。
KEC Emi: やってみるとおもしろいと思います。
kj: なんかもう、聞いたら死にたくならないかと思っちゃいますけど。笑
KEC Emi: 笑 そこはダメ出しをしないように気をつけてください。
kj: あー。
KEC Emi: 「よくやってる」と褒めてあげてくださいね。
kj: なるほど。
KEC Emi: 音声については「人並み」。決してダメではないです。kjさん、TAで教えたご経験がおありなら、たとえば自分の英語ではなく、自分の生徒の英語だと思って聞くと、少し寛大になれると思います。「コイツのいいとこ見つけてやろう」と思って聞いてあげてください。
kj: あーなるほど。いいですね。
KEC Emi: 文字が得意なのはとても良いことなんですけど、そちらだけをどんどん得意にしてしまうと、音声が置いてきぼりになってしまいます。そうではなくて、得意な文字を使って音声を伸ばしていく感じで、文字情報を音声化して、「読んで聞く、読んで聞く」みたいなことをして、少しずつ距離を縮めていくといいかもしれません。
kj: そうですね。はい。
(つづきます)
No comments:
Post a Comment