「何もかも」より、「必要なものを」。
KEC Emi: たとえば今日聞かせてくださったものは、今後アメリカにいらっしゃって、大学の授業なり、学校生活に不自由がなくなった後で聞いても、まだ聞き取れないかもしれないですよ。
弘記: そうですか。
KEC Emi: 笑 ま、聞き取れるようになっていたら、それはそれでいいんですけど。むしろ、それが聞き取れないままでも、アメリカでの大学生活に支障がないっていう体験の方を積んでいかれるんじゃないかと思います。
弘記: (考える)…そう…なのかなぁー。うーん。
KEC Emi: 何もかもを聞き取れるというのは、それはできたら素晴らしいですけど、それよりは、自分に必要なものをより正確に聞き取って速く反応することが求められますから、そっちの方へ成長していくと思いますよ。
弘記: そういうもんですか。
KEC Emi: 私はいわゆる「英語のシャワー」みたいな言い方はしないんですけれど、でも、まぁ“浴びて”いるうちに、その環境に順応して、その中で聞いたり話したりが上達していくということはあるだろうと思います。その意味で、今、聞き取れないものをしらみつぶしにつぶしていこうとされるよりは、ご自身でもおっしゃってましたけど、8割方できているものを中心に学習を進めていく方が、少なくとも学習者としての精神的な健康上、良いと思います。
弘記: (考える)… その、わかるものを聞くっていう行為については、どう思いますか?
KEC Emi: わかるものを聞くという行為?
弘記: その、容易にというか、細かいところまで聞き取れるものを聞くっていう行為ですね。どうでしょう?
KEC Emi: えーと、すでに聞き取れているものを、繰り返し聞くのに効果があるか、ということですか?
弘記: すでに聞き取れているというか、内容は初めてでも、聞き取れるレベルのものを聞くことについて、です。
KEC Emi: うーんと、(考える)…何のために聞くかによると思います。表現や構文が単純だから、聞く聞かない、ということはないですよね?自分が内容に興味があるかどうか、なので、難易度が高いからタックルしようっていう聞き方は、私はあまりしないかなと思いますけど。笑
弘記: えーと、難易度高いというか、スピードの問題かな。同じ分野でも、簡単に聞けるものもあって、早口の人は、簡単には聞けませんし。似たような内容だとして、はっきり聞ける方を聞くのか、難しい方を聞いて、スクリプトを目にしてっていう…ま、どっちもやったらいいんですけど。
KEC Emi: ふふふ。
弘記: 笑
鍛えたい気持ちが強いのかな。
KEC Emi: 弘記さんご自身はどっちがお好みですか?
弘記: お好みっていうのは、どういう意味ですか?
KEC Emi: たとえば同じ時間をかけるんだったら、どっちを聞こうと思いますか?
弘記: えーっと、ラクしたい時は、あれですけど、でも基本的には速い方を聞きますね。笑
KEC Emi: なるほど。そうやって鍛えたいという、トレーニングみたいな感覚が強いのかな。
弘記: そう…ですねぇ。
KEC Emi: うーん、それは、好みだと思います。
弘記: ああ。
KEC Emi: 現実的には、まったく同じことを速度だけ変えて言うってことはあり得ないですけど、あえてそういう仮定をするとしたら、ゆっくりの、聞きやすい方を聞いてもいいんじゃないですかね?
弘記: (考える)笑
KEC Emi: 笑
弘記: あのー、たぶんリーディングの経験則っていうか、結構前から、だいたいどんな文章でも時間をかければ読めるので。1年ほど前はたぶん1ページに20分とか30分かかるぐらいのスピードだったので、楽しむっていうか…(考える)好んで読むことはなかったんですけど、最近は、好きな小説をパッて気楽に読めるぐらいの気持ちが出てきて。
KEC Emi: はい。
弘記: で、このことから考えると、やっぱりこの鍛える期間みたいなものがあってこその、楽しむとか、中身を味わうとかかなって思ってて。
KEC Emi: なるほどー。筋肉を鍛えるときに負荷をかけるようなイメージですね?
弘記: 笑
(つづきます)
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