Sunday, December 7, 2014

スピーキングが苦手です。第6回


もう1回ずつ失敗してきてください。



KEC Emi:    たとえば、先ほど「週末なにしてた?」というのを私から出しましたけど、N.T.さんがされる質問には、パターンがあるはずなんです。さっきは思いつかなかったようですけど、今日、このセッションの後からは意識が高くなるので、「あ、これよく聞かれるな。そして返事が単語になっちゃうな」っていうのが見えてくるようになると思います。

N.T.:          はあー。

KEC Emi:    次にそういう場面があったら、その場ではしょうがないです。もう1回ずつ失敗してきてください。

N.T.:         

KEC Emi:    Shopping」 とか。笑 「単語だけ」という経験が、もう1回はあっていいです。でもそれを最終回にしましょう。それで、その後で、何を聞かれたか、本当は自分はどう答えたかったかを振り返って、書き出してみてください。N.T.さんは文法の力があるので、書けるはずです。書けそうですよね?笑

N.T.:          た、たぶん。笑

KEC Emi:    質問が聞き取れているのにうまく答えられなかった、というケースを一つずつつぶしていくんですよ。「こう答えられたら満足」という、自分の納得が行く答えを、書いてストックしておきます。別の日に同じ質問が来たときは、答えが用意してありますから、答えられます。

N.T.:          あー、そうですね。

KEC Emi:    私のコーチングでは、「『もう一度チャンスがあったら』と考えてください」っていうお話をよくします。実際には同じ人と同じタイミングで同じ会話をもう一回するということはあり得ないんですけど、N.T.さんの身のまわりで起きることである以上、相手が変わったり、同じ人でも違う場面で会った時に、同じことが起きる可能性はかなり高いんです。「最終回」を作るというのは、その繰り返し起きる中で、ある時期までは失敗していたけれど、「最終回」をはさんで、もう同じ失敗を繰り返さないということです。

N.T.:          はぁ。

KEC Emi:    「もう一度チャンスがあって、あの人にこれを聞かれたら、今度はこう答えよう」って準備しておくと、同じような場面で、答えられるようになってきます。

N.T.:          あぁ。なるほど。

KEC Emi:    そういうリストをね、ちょっと作ってみてください。こういう質問をされたけど単語で返しちゃったな、でも次はこう答えようっていうリストです。できそうですか?

N.T.:          はい、これはできそうです。

KEC Emi:    すぐに使えるようになると思いますので、やってみてください。

N.T.:          はい、そうですね。



「読む」でできていることを、「聞く」にも。



KEC Emi:   ここまでのお話をまとめると、「書く」ことをベースに発信の力をつけて、「話す」につなげていく、ということですが、その考え方で、「読み」も使えそうです。N.T.さんの辞書の使い方や読み方は非常に良いと思います。最初にざっと読んでからわからないものだけ辞書を引くとおっしゃいましたよね。同じことが「聞く」ときにもできるようになってくるといいと思います。

N.T.:          あぁ。

KEC Emi:    先ほどのTOEFLのお話で「引っかかる」というのがありましたけれど、「聞く」ときも同じことが起きているんじゃないでしょうか。引っかかったところで止まってしまうと、後ろのヒントが聞こえなくなってしまうので。

N.T.:          あー、そうですね。

KEC Emi:    笑 ですよね。なるべく引っかからずに、わからないところも後々わかってくるって信じてざーっと聞いてみるといいですよ。とりあえず先に進んだら、「あ、さっきのこれだったんだ」ってつながること、結構多いと思います。

N.T.:          なるほど。

KEC Emi:    それを基本に、でも必要なときには相手に直接聞くとか、あるいは持ち帰って調べるとか、そんな感じで。とにかく、読んでいるときの感覚を、聞くときにも応用できるといいかなと思います。

N.T.:          そうですね。あぁなるほど。

KEC Emi:    できてるんだから、読んでるときに。笑

N.T.:          笑 はい。

KEC Emi:    「書く」「読む」という得意分野で、N.T.さんが自然に、あるいは工夫して編み出してやっている方法を、苦手な音声の「聞く」「話す」にも応用してやる。それがN.T.さんに合っているんじゃないかなと思います。「聞く」ことについては、「私、読むときどうしてるかな」。「話す」については、「書くときどうしてるかな」っていうふうに。

N.T.:          あぁ、なるほど。わかりました。

KEC Emi:    それから、「読む」についてもう1つ。私はすごく感動したんですけど、時々その一部を和訳する、というところ。これっておそらく読むスピードをコントロールしていらっしゃるんだと思います。流し読みではなく、ところどころ自分で「立ち止まろう」と意識している。これは、特にアカデミアの世界で、誤解を防ぎ、理解を深めるためにすごく良いことだと思います。続けてください。

N.T.:          はい。

KEC Emi:    辞書についても、『Weblio』はいいと思います。使いやすい、検索しやすいということと、紙の辞書や電子辞書よりもマメに情報が更新されていますから。後々、文章としてまとまったものを発信していくことが多くなってくると、『Weblio』のような単語レベルの辞書ではちょっと足りなくなってくるかもしれないですが、今のところはいいと思います。

N.T.:          はい。

KEC Emi:    今後、おもに書くときに、単語の意味はわかる、文法もわかる、でもちょっとニュアンス的に不安だなっていうことが出てくると思うので、そうなったら例文の多い『英辞郎』などの方が有効になってくるかもしれません。(※2014年11月現在)

N.T.:          『英辞郎』ですね。ありがとうございます。

KEC Emi:    4月以降また状況が違ってくると思いますけど、今のところ準備としてやっていくこととしては、「書く」ことによって「話す」をサポートするということかなと思います。聞き慣れるということに関しては4月以降どんどん自然にできるようになってくるので、今からあまり心配しなくていいと思いますよ。

N.T.:          はい、わかりました。

KEC Emi:    というような感じですけれど、全体的に何かご質問はありませんか?

N.T.:          あ、ちょっと今浮かんだんですけどいいですか?

KEC Emi:    はい、どうぞどうぞ。


(次回は最終回です)


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